FICTIONS >> チョコレートカスタマイズ >> チョコレートカスタマイズの1
全般的に、フィクションです
最新更新日時: 2011年12月31日 18時06分
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1.チョコレート王国ってどこにある? | |
「ねえDad」 「ねえDad」 なんだい。 「ねえDad。チョコレート王国ってどこにある?」?。 チョコレート王国? コートジボアール(Côte d'Ivoire)のことかな?あれは共和国だけど。 「そう、そこ」 アフリカの西はしっこ、伊豆半島なら土肥町(といちょう)のあたりこっから陸路で四万キロっていったところかな 空路で行くなら成田からエミレーツ航空でアビジャン行き にのるといい 「ありがとう」 はい、どういたしまして。長女 |
2.バレンタイン帝国って、 どこにあるの? | |
「ねえ、ねえ、おとうさん」 おとうさん 「なんだい、次女」 「バレンタイン帝国って、 どこにあるの?」 バレンタイン帝国?ヴァチカン市国(tato della Città del Vaticano)のことかな? 「ウン。たぶんそれー」 ウム、ウムウム 「長女、次女、ふたりとも。ちょっとこっちへおいで! 一体なんだって、きみたちはそんなへんな質問をするの?新年早々、おとうさんはなやみます。 どうしてそんなことを聞くのかと」 |
3.長女は チョコをプレゼントするんだ。 | |
「なぜ?」ともだちはそうたずね。 ふたりのむすめたちは何もこたえられず。ただ、まぶたをふせるだけ。 調子のいいだけがとりえな ぼんくらのむこうみずなともだちは ふたりの質問の真意を 知る てだてがない! やがてよこをむいて目をふせていた 次女のほっぺたがぷるんとよこにうごいて、ちいさくて むしばのある、くちがおおきめに、ひらいた 「あのねえ。長女がねえ」「ホウ」 「あっばかいうなよ次女」「長女は チョコをプレゼントするんだ。だからそれを海外からかいにゅうするのね」「ホウ。 それはおそらくかいにゅう(intervention) じゃなくて、ゆにゅう(importation)だな」 |
4.バレンタインだね | |
ホウ ホウ! なるほどなあ!長女が誰かにプレゼントとはなあ!それは たいしたものだ もう そんなになるかと、ともだちは思う。 読んでいた本をとじて、ともだちはすこしじぶんも目をふせて 「バレンタインだね」 という。 次女は「そう バレンタイン わたしも」とこたえる |
5.「だったら、 スイスにいきなさい」 「スイス?」 | |
父親は閉じた本の表紙をさわりながら ふたりに、ひくい声で いった 「だったら、 スイスにいきなさい」 「スイス?」 「そう、スイス。グリュイエール村で チーズ工場を見た後はチョコレートトレインに乗って チョコレートの老舗(ろうほ)カイエ社へ」 スイス チョコレートトレイン! 「スイスって どこにあんの?」 「スイスは ドイツの下だよ。ヨーロッパのくにだ。」 |
6.でも。 カフェインはコートなんとかって所でとれるんだろ?Dad? | |
「でも。 カフェインはコートなんとかって所でとれるんだろ?Dad?」 「カフェイン? 君がいってるのは <カカオ> のことかな?」 「? だな。 スイスで 美味いコーヒーなんか とれんのか?」 「ウン。 コーヒーの豆と、カカオのまめはべつのものだ 娘よ」 「ヒュー。そうなのか? どっちも黒いか茶色いか(Black or Brown)どれだけ煎るか じゃねえの?パパ にがいし」 |
7.コーヒーとカカオというのはまずべつのもので カカオが世界で一番とれるのはコードジボアール、それはアフリカ大陸だ | |
ともだちは、めがねの柄をくわえて すこし考え込んだ で話をつづける 話をつづけるが 「話をつづけるが、コーヒーとカカオというのはまずべつのもので カカオが世界で一番とれるのはコードジボアール、それはアフリカ大陸だ。 ちなみに ややこしくなるが日本で一番多く輸入している カカオは、ガーナのカカオで、ガーナもアフリカ大陸にある」 「そう、それをいってんのよー。 パパ。 だったら、一番うまいチョコレートは、とうぜん ガーナだか、コウサムシング にあるわけじゃない?Dad。 ちがうの?」 |
8.それはつまり 産地のものが 一番美味い というかんがえかた だな | |
それはつまり 産地のものが 一番美味い というかんがえかた だな「娘よ」 「イエス」 ちなみに、 さらに混乱させるつもりはないが 娘よ カカオはもともと アフリカの種ではない。今でこそ 品種改良をほどこされ アフリカで世界一の生産量を誇るがその起源は メソアメリカ(meso-Americaまたは南アメリカ)古代アステカ王国(Aztecまたはインカ)にあるつまり チョコレート王国というのは 「かつてチョコレート王国と呼ばれた国はあったか?」 と聞いて たずねるのが正解なのだ マイドーター それで 真のチョコレート王国 として呼ばれていた国は、もう 今はないんだよ なくなっちゃったの |
9.その昔、スペイン人がチョコレートの民を みなほろぼしてしまったんだよ | |
「なぜ?」 その昔、スペイン人がチョコレートの民を みなほろぼしてしまったんだよ 「何か悪い事をしたの?」 「何か 悪い事!」ともだちは、鼻息をあらくして さっきまで読んでいた。ダイヤモンド社発行の「地球の歩き方 A18 スイス」を ほんだなに しまった 「悪い事、悪い事、、、」 ともだちはねんぶつのように ぶつぶついったまま、太ももをぴしゃり とやりながら しばらく 本を探す |
10.ようするに。 あんた(ともだち)今スイスの本を読んで、りょこうにいきたかった だけだろ! | |
長女は、そのしまいきれてないで ななめになっている「地球の歩き方 A18スイス」を手に取ってながめてフー と 息をはいた。 次女は ぬいぐるみをひきずって 部屋から出て行った さようなら 次女 「ようするに。 あんた(ともだち)今スイスの本を読んで、りょこうにいきたかった だけだろ!」 「あった、あった」 ともだちはアイケヤで買って来た。二層式のほんだなの中列べつめい「ここんところだけ中くらいの本がいれられる(あとは微妙にひくいので」から茶色の表紙の本をとりだした |
11.あった、これだ。The True History of Chocolate(「チョコレートの歴史」) | |
「あった、これだ。The True History of Chocolate(「チョコレートの歴史」)ここに チョコレートにかんする だいたいすべてのことが 載っている。日本では樋口幸子 というひとが翻訳している。」 この本は ソフィー.D.コウとマイケル.D.コウ の共著になっていてふたりは ふうふだ奥さんは、はじめの三章まで書いて のこりを旦那さんが書き足した奥さんはこの本を最後まで書く事が できなかった 「なぜ?、 死んだの?」 「死んだ。 ガンだった。 |
12.ソフィーDとマイケルD たかが チョコレートを知るために一生のほとんどを使い果たす このプチビュレ(プチ・ビュレオワジー petit bureoisie)ども | |
幸い旦那さんはメキシコ史についての権威だったので、かなしみを乗り越えて彼女の膨大な チョコレートに関する 資料をひきつぎひとつの歴史にへんさんすることがかのうとなったのだ!」 ソフィーDとマイケルD たかが チョコレートを知るために一生のほとんどを使い果たす このプチビュレ(プチ・ビュレオワジー petit bureoisie)どもがわれわれのあたまに、いくばくかの熱を あたえる。 |
13.ソフィーDは1994年「アメリカで 最初の料理」を書き、その ウィットに富んだ文章と、緻密な資料を駆使することでアメリカで 評判になり | |
彼らがハーバードで学んだのが 1960年代のはじめ ソフィーDは1994年「アメリカで 最初の料理」を書き、その ウィットに富んだ文章と、緻密な資料を駆使することでアメリカで 評判になり その後料理史研究に没頭する傍ら世界中の古い図書館をめぐり チョコレートの歴史を釣って一生をすごした |
14.果実はともかく、チョコレートの材料になる種は甘くはない。カカオ自体、甘いものではない | |
「この本によれば、チョコレートは もともと飲み物だったと 書いてある 昔は、チョコレートといえば たんなる 苦い汁だったのだ」 「カカオは、甘くはないのかい?」 「果実はともかく、チョコレートの材料になる種は甘くはない。カカオ自体、甘いものではない」 |