3.宮腹の私は、なかでも親しく馴れきこえながされて、遊び戯れも人よりは心安く | |
長雨晴れ間なきころ、内裏の物忌は続き、たいへんに長居さぶらひながされるのを、大殿にはおぼつかなく恨めしく思われたが、かの君よろづの御よそひ何くれとめづらしきさまに調じ出で流されつつ、その息子の君たちもただかの君の御宿直所への宮仕を皆勤めながされる。 宮腹の私は、なかでも親しく馴れきこえながされて、遊び戯れも人よりは心安く、なれなれしく振る舞うこともできた。右大臣のいたわりかしづきながされる住み処は、私もまあもの憂くして、好きがましいとする者でもあったので。 |
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