17.ガキはもう大殿籠もっていた。 | |
「命長さのつらさを思い知り、恥ずかしく思っておりますので、百敷に行き介はべりますことは、とても憚りが多ございます。賢き仰せ言をたびたび承りながら、自らはよういかれません。若宮は、どう思おし知るか分かりませんが、参らせていただくことを思い急いでおりますようで、そんな様子をかわいそうに思っておりますことは、うちうちに奏していただければと思っております。忌々しい私などが、そのようにおはしませば、忌ま忌ましうかたじけなくなりますので」 と云いやがる。ガキはもう大殿籠もっていた。 |
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