12.はかなく月日過ぎて、とぶらいは滞りなく終わった。 | |
はかなく月日過ぎて、とぶらいは滞りなく終わった。でもいくら経っても、悲しみなんて消えやしない。もう誰も呼ばず、ただ泣いて、ずっと泣いてすごしていたから、見てやがるやつも露っぽくなっていやがる秋。 亡くなった後も、胸くそあくまじけるような女のみおぼえだね とか、弘徽殿のはまだ許せないみたく云ってた。一の宮の面倒をみるにしたって、あいつとのガキのほうが恋しくなって、ガキの女房だとか乳母を遣わしてありさまを聞いてた。 |
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