FICTIONS >> 桐壺 2.桐壺の弔いと残されたひとびと >>

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最新更新日時: 2011年12月31日 18時06分
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11.失くしてみなけりゃ分からない、それってホントによくある話だよな。
内裏から遣いがあって、三位の位が贈られるのを読み上げやがる時が、ばあさんの最も悲しかった時だ。女御だとも呼んでやれてなくて、口惜しい思いもしていやがったが、一階の位をと思って贈ってやったんだ。これだって恨みに思う奴らはいくらでもいた。もの思いを知る奴らは、あいつの様、容貌のめでたさ、心ばせのなだらかで目易くて、恨みにきれなかった事などを、今さらに思い出しやがる。
俺のざまをみて妬んだんだと。人柄のあわれになさけぶかい思いを、俺の女房どもも恋偲びあいやがっていた。失くしてみなけりゃ分からない、それってホントによくある話だよな。
作成: 2011年01月19日 06時24分 / 更新: 2011年01月24日 03時31分

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