マイルストーンズ | |
この曲のシンプルなメロディーは、ジャズの作編曲家で、当時、「調性体系におけるリディア概念」理論にとりかかっていたジョージラッセルと一緒だった晩に、マイルスが思いついた実験だった。ラッセルの理論は、基本的には、伝統的な調性に従ったコード進行や、調性に対応したメロディのかわりに、ジャズの作曲家、即興演奏家にモードを使う道をひらくメソッドだった。モード(定型句)というのは、実は西洋音楽においては非常に古い概念で、その起源は古代ギリシアに遡る。そして一方、このモード概念は、様々な具体的な形をとって、アフリカの「原始的」な音楽やインドの芸術音楽において用いられてきたのである。マイルスはラッセルのやり方に、すっかり魅せられてしまった。 (Amazon.co.jp: マイルスデイビス物語: イアン・カー, 小山 さち子: 本) |
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