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最新更新日時: 2011年01月29日 19時39分
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2010年6月17日
リアリズム──フランス語風に記すと、レアリズム──は、本来、いい意味で使われていない。
 クールベが1851年に『オルナンの埋葬(Un enterrement à Ornans)』を官展に出品した際、これがスキャンダルとなり、彼は「レアリスト(réaliste)」と侮蔑される。しかし、クールベは、それを逆手にとり、「レアリスト・サークルCéenacle (réaliste)」を設立し、55年に開いた個展を「レアリズム(Le réalisme)」と銘打っている。当時は画家個人が自分だけの作品を展示して一般客に有料で見せるという制度はなく、この入場料1フランのイベントは、史上初の「個展」とされている。
 近代リアリズムの特徴を考える際に、最も参考になるのは、シャンフルーリやデュランチーに否定的だったギュスターヴ・フローベール(Gustave Flaubert)の『ボヴァリー夫人(Madame Bovary)』(1857)と『感情教育(L'Éducation sentimentale)』(1869)であろう。
 
(伽藍とハザール -現代化と文学- 佐藤清文)
作成: 2010年01月17日 22時19分 / 更新: 2010年08月22日 15時45分

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