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最新更新日時: 2017年09月30日 13時06分
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「ドラゴンボール」的裁定によって作品のプロットを分類する/ノースロップ・フライ『批評の解剖』 読書猿
『詩学』第2節で、アリストテレスは、それが描写している対象によって、文学作品を分類することを提案している。文学作品に登場する人物は、「優れているa higher type」か「劣っているa lower type」のいずれかであり、それによって区別することができるだろう、と。ところで英語ではgoodnessとbadnessと訳され、道徳的文学観による価値判断を表すかに見える語は、アリストテレスが使った語ではσπουδαιοsとφαλωsであるが、これは元々単に「重い」と「軽い」を意味する語だった。(「重い」→「忙しい」→「重要な」→「卓越した」/「軽い」→「つまらない」→「劣った」)。  ノースロップ・フライはこれを取り上げて、今でも文学の分類に使えないかと考えた。「重文学」と「軽文学」といった分類ではない(そんなのは、明示的でないだけで、今でもよく使われている)。フライが提案するのはもっと単刀直入で、かつ「強力」なものだ。フライは、ここで「ドラゴンボール」的裁定によって------あと10年も経てば「ドラえもんが心の救いでした」なんていう人間は駆逐され、『ドラゴンボール』によって思考する人間が席巻するだろう------、文学作品のプロットを分類することを思い付く。  つまり彼は、作品の主人公たちに「おめえ、強ええか?」と尋ねるのだ。
>>(「ドラゴンボール」的裁定によって作品のプロットを分類する/ノースロップ・フライ『批評の解剖』 読書猿Classic: between / beyond readers)
作成: 2009年12月05日 18時17分 / 更新: 2011年01月09日 10時01分

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