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最新更新日時: 2010年08月24日 13時21分
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この世界の片隅に 下 (3) (アクションコミックス) | |
ついに完結してしまった三冊目。 中巻が戦争末期へ向かう呉だったゆえに、待っているのはもちろん広島、となるわけで、もちろん待ちに待った発売だったのだけど、読むのがもったいない感+読み進むのが怖い感で、なかなか読むのがためらわれたりして・・・とりあえず読み始めて7月で止まってしまったりして。 で、読み終えた・・・ただ、1回読み終えた時は、これはどこかで?あれなんだっけ?え・なんでここにこれが?と、ちょっといろんな意味で?が浮かんでくる。 で、もう一度読み返し、更に上巻から読み返す。と、いろんなことが見えてくる。 (自分は連載で読んでなかったが、連載だと読んでて?とか肩すかしをくらうような印象を持った人も多かったのではないかと思ったりする) そういう意味では、むしろ上巻から通して一気に読む方がよいかもしれないし、下巻は二度は読んで欲しい、というか、きっと読んでしまうと思う。 戦時モノということで、しかも呉・広島を舞台にしているゆえにどうしたって8月にどうなるか、となるかと思うのだが、そこで原爆や戦争の悲惨さを描く、といったダイレクトで壮大なテーマ描き方をせず、あくまでもすずという女性を中心とした視点・すずの身辺の苦悩と歩みを追っていく。 上巻中巻を通して伺えるのんびり・のほほんとした日々の生活は、悲惨な出来事があっても、いや、大変だからこそ、それでも「泣いてばかりじゃ勿体ない・・・塩分が」といったユーモアを交えて生きていく。そうせざるをえない。 なので、6月の事件は直接的に泣けてしまうし、戦災孤児のエピソードや登場人物のなにげない体調不良やしみといったゾッとする部分はもちろんある。 だけど、そういった直接的なポイント以上に、読み終わってから、ふと思い出すなにげないひとことや、断片的にしか表現されていないエピソードのバックグラウンドを想像したり、表紙のすずにじわっときたり・・・そんな、不思議なマンガになっている。 こうのさんの作品をいろいろ読んできて、自分の好きな作品「さんさん録」みたいに、一見生活の知恵のようなものを紹介するかのようなスタイルで物語を紡いでいく手法が、この作品で更に素晴らしい形になっている。 そんなわけで、こうのファンとしてでなく、マンガファンとして、本当にお薦めの最高傑作だと思う。 |
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