6 定義のための範囲の特定 |
人間の営みを次のような階層秩序に体系化すると、定義が容易になる。 (1)領域(Area Order):芸術(Art)、学問(Science)、経済活動(Business)、遊び(Play)など (2)区分(Division Order):文学、美術、映画など (3)分野(Discipline Order):散文フィクション、詩、演説など (4)ジャンル(Genre Order):近代小説、告白、ビカレスクなど (5)作品(Work Order):『失われた時を求めて』、『ユリシーズ』、『変身』など この階層秩序を用いて考察対象に必要な範囲を特定できる。下位概念は上位概念の定義を具体的なイメージとして伝える際に有効である。 これらの分類は見通しをよくするためのものであり、便宜的である。名称にも拘る必要はない。.純粋系は、むしろ、稀で、ほとんどは相互依存・相互浸透している。この分類は排他的・一方向的ではなく、複合的・多方向的に見るべきである。 なお、上記の各階層にはおのおのを「大秩序(Major Order)」として、「小秩序(Minor Order)」を設ける場合もある。領域を例にとると、「小領域(Minor Area Order)」には人文科学や社会科学、自然科学などが含まれる。このカテゴリーは議論の必要に迫られた場合に設置される。分類は手段であって、目的ではない。 |
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